chat

AIにTokyo Techiesについて質問する!
【開発ベンダーのせい?】システム開発が失敗する本当の理由と取るべき4つの行動
その他
文責:
Duc Doba

システム開発プロジェクトの失敗は開発ベンダーのせい・・・。この言い訳、もうやめませんか?

総じていい評判を聞かない「ITシステム開発プロジェクト」の実態

Tokyo Techies株式会社の主要サービスであるITコンサルティングでは、法人のお客様からよくこのようなお話しを聞くことがあります。

  • 「引き取った開発ベンダーに思い切って任せたが対応が悪く、使い物にならないシステムだけが残った」
  • 「フリーランスに頼んだら、期日がどんどん先延ばしになり、結局当初の予定が十分実現できなかった」
  • 「アジャイル開発を選んだら、詳細設計、要件定義、ソースコードがまともに文書化されず何も記録がない状態で、結局プロジェクトが頓挫した」

これらの問題は、確かに開発ベンダーのスキル不足や責任感の低さによることもあるでしょう。しかし、いざ深掘りすると、かなりの確率で「クライアント側にも大きな問題があった」ことがわかる時もあります。

Tokyo Techiesでは、数多くのシステム開発プロジェクトの“復旧”に携わってきました。その知見を生かし、本記事では、システム開発プロジェクトが失敗する典型的な構図を整理し、クライアント企業がどう備えるべきかを明らかにします。一人でも1社でも多くの方のお役に立つことを願っています。

システム開発プロジェクト失敗の主要因

1. コンサルタントの使い方

「自社ではリソースが十分でないし、開発プロジェクトの全体像が見えないから、経験豊富なコンサルかベンダーに依頼しよう」

──この判断は、決して間違いではありません。

ただし、依頼の仕方を間違えると、プロジェクトはかえって混乱します。

実際、以下のような課題が発生するケースが少なくありません:

  • コンサルに任せきりになり、自社のレビューや意思決定が形骸化
  • 業務視点では優れた提案だが、エンジニアへの橋渡しが不十分で、実装時に摩擦が起きる
  • 要件定義や設計は進んだものの、現場で「実際に使えない」と不満が噴出

当社がクライアントの開発プロジェクトのお直しを引き継いだ案件のうち、外部コンサル主導で詳細な仕様書が作成されていました。

しかし、実装チームがそのドキュメントを見たところ

  • 現場の業務フローに合っていない
  • 技術的に実装が困難
  • 実際の利用シーンが考慮されていない

という問題が散見されましたが、クライアント側には基本的な技術知識や要件確認のスキルが不足していたため、レビューの段階でそれらの問題に気づくことが難しかったのです。

結果、仕様書はほぼ使われず、開発チームが一から設計をやり直す羽目になりました。

このような事例からの学び、そして当社がITコンサルの専門チームとしてお伝えしたいことは、大切なのは、コンサルに「任せきり」ではなく「自社も一緒に考える」姿勢 ということです。

コンサルタントは設計・要件定義の伴走者ではありますが、プロジェクトを成功に導く責任の一端はクライアント側にもあると考えるべきです。

  1. 自社として最低限の技術理解を持つ
  2. レビューの役割をしっかり果たす
  3. 設計や要件を「運用・実装」の目線で考える

少なくともこの3つを意識することで、「設計は良かったのに実装で失敗した...」という典型的なパターンを避けることができます。

2. クライアント側の戦略の不足

システム開発において、経営陣とIT部門の相互理解は必須です。しかし、実際には次のような問題が発生しています。

  • 経営サイドのシステムに関する知見・経験が少なく、システム開発の目的が深く理解されていない
  • IT部門の経験不足、またはそもそもスキルセットのビジョンが不足
  • 外部コンサルタントに過度に依存した結果、自社での意思決定ができない
  • 不合理なスケジュールを立て、計画の実現可能性について早い段階で確かめなかったままKick offした
  • フリーランスを採用する際に、履歴書に書かれた経験年数やキーワードだけで判断し、実際のスキルを検証しなかった。そのままフリーランスに作業を任せきったクライアントは適切なフォローもできず、最終的に納品された成果物に全く満足できない状態になった

例えば、ある企業が「半年以内に業務システムを刷新したい」と決めたものの、ビジネスプロセスの見直しを十分に行わず、IT部門に「この仕様で発注してほしい」と丸投げしたケースがありました。

その結果、仕様が二転三転し、開発途中で根本的な方向転換を余儀なくされ、結果としてプロジェクトが失敗した、という事例もあります。

3. リソース配分計画の不備

  • POC(概念実証)は完成したが、ソースコードを受け取れずカスタマイズできない
  • 仕様変更を想定していなかったせいで、わずかな修正にも大きな工数がかかってしまうことが後から判明
  • 要件定義に半年かけたのに、動くものが何もできていない

上記はプロジェクトの進行に支障をきたしているよくある状況ですが、これらの問題は全て「適切なリソース配分計画」がない場合に起こります。

実際のご相談事例として、最初の半年を要件定義に費やしたものの、開発フェーズに入ると「実はこの要件は不要だった」「新たにこの機能が必要」となり、開発が大幅に遅延したケースがあります。

要件定義に全力を注ぐのは悪いことではありません。ですが、プロトタイピング(試作品開発)を並行して進めることで、早い段階で“気づき”が得られるのです。その気づきとはたとえば

  • 本当に必要な機能は何か?
  • プロトタイプを見て、実際に動かしたときに、使い勝手はどうか?
  • 想定外の変更にどう対応するか?

こうした課題に早く気づければ、無駄な開発を減らし、柔軟な進行が可能になっていたでしょう。

4. 完了の定義(Definition of Done)の不明確さ

いつシステムが完成したと見なすのか? これに対する明確な定義がない場合、開発ベンダーの選定基準までもがブレます。

  • 完成までのプロセスが明確に固められていない。例えば、意思決定のエビデンスを残すプロセスもなく(クライアントと開発ベンダーの間の役割分担が明確でないため、丸投げになったなど)、成果物の中に設計資料、ソースコードや運用ガイドが含まれていなかった。
  • 専門性よりも値段や期間のみで開発ベンダーを選んでしまう
  • 完了の定義がクライアントによって異なる

適切な開発ベンダー選定には、過去の実績を示せるかだけでなく、クライアント側の不合理な要求を指摘し、開発計画を現実的に調整できる力も重要です。

当社にご相談いただいた事例として、最初は「システムが動けばOK」と言われた案件が、後から「UXが良くない」「管理機能が不足している」といった追加要求が発生し、開発コストが膨れ上がったケースがあります。

Tokyo Techies が考える、成功する開発プロジェクトに必要な4つの条件

Tokyo Techiesでは、システム開発の受託にとどまらず、CTOアドバイザリー、技術責任者の採用支援、RFP作成、開発ベンダー選定など、上流工程における高度なITコンサルティングも提供しています。

その中で私たちが一貫して重視しているのが、「プロジェクトの成功に直結する要素を、クライアントと共に設計・実行する」という姿勢です。

以下に、Tokyo Techiesが考える“成功するプロジェクトの4つの条件”を紹介します。

1. プロジェクト計画の明確化と全体共有

プロジェクトを円滑に進行させるためには、全ステークホルダーが共通の認識を持つことが不可欠です。

Tokyo Techiesでは、初期段階で計画をドキュメントベースで明確化し、それを関係者全体に共有。さらに、定期的な進捗確認の場を設けることで、ブレのない意思決定とスムーズな実行を支援しています。

2. リスク発生時の即時対応と柔軟な軌道修正

どれほど綿密に計画を立てたとしても、プロジェクトにおいて不確実性は避けられません。

Tokyo Techiesは、リスクが顕在化した際に迅速に対応可能な体制を整えており、必要に応じて以下のような調整を実施します:

  • リソース配分の見直し
  • スコープの再調整
  • ユーザーテスト・セキュリティテストのスケジューリング変更

「問題の発見より、問題への初動対応」に重きを置くことで、致命的な影響の回避を図ります。

3. ソフトウェアトレーサビリティと設計ドキュメントの連携強化

プロジェクトの透明性と将来の拡張性を担保するため、Tokyo Techiesでは要件定義・設計・実装・テストをドキュメントレベルで一貫して紐付ける運用を徹底しています。

  • ワークフロー図や画面設計
  • 要件定義書と非機能要件
  • テストケースおよび品質保証項目

これにより、後工程での改修コストを最小化するとともに、将来的な内製化やベンダー切り替えにも柔軟に対応可能な状態を構築します。

4. 知識伝達と内製化支援による自走体制の構築

私たちの最終的なゴールは、単にソフトウェアを納品することではなく、クライアントが自ら運用・改善を進められる体制を築くことです。

そのため、以下のような「知識の定着と移転」を意識した取り組みを、プロジェクトに組み込んでいます:

  • 成果物やドキュメントを後から追いやすい構造で整理・納品
  • 各フェーズ終了時にワークショップ・レビュー会を実施
  • クライアント担当者へ段階的にタスクを移管し、実務経験を通じて学習できる場を提供

たとえば、PoCや初期開発段階では、Tokyo Techiesのメンバーがクライアント担当者とペアを組み、要件整理・設計・テストを共同で進める体制を構築します。

これにより、知識の属人化を防ぎ、現場での再現性あるスキル獲得を支援しています。

まとめ:プロジェクトを成功に導くのは「共創」の姿勢

システム開発プロジェクトの成功には、優れた開発ベンダーの選定だけでなく、クライアント側の主体的な関与と戦略的な判断が不可欠です。

プロジェクトの方向性を正しく定め、関係者全員が共通の目標を持ち、互いに補完し合いながら進めることで、初めて本質的な成果が得られます。

Tokyo Techiesは、これまで数多くの“行き詰まったプロジェクト”を再構築してきた実績があります。

私たちは単なる開発業者ではなく、ビジネスの成長と変革を支える「ITパートナー」として、構想段階から伴走することを重視しています。

  • 開発が進まない、または途中で止まってしまったプロジェクトがある
  • 社内に技術の判断軸がなく、どう進めてよいか分からない
  • アイデアはあるが、PoCや要件整理が進まない

そんなお悩みがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

tt heading

Also Read

各種SNSでも情報発信中

ビジネスを次のステップへ
Tokyo Techiesが伴走します
icon down