Tokyo Techiesが伴走します
AIが急速な発展を遂げる中、スポーツ界においても様々なテクノロジーが大きな変革をもたらしています。
弊社が2020年に行った共同研究では、アマチュアとプロのテニスプレーヤーの動画から動作分析を行い、プロとアマチュアの動作の再現性・一貫性の違いやプレーヤーの肩・肘などの位置の違いがどのくらいあるかを分析しました。
本研究はLisa Baily (The American School in Japan)、 Johnathan Lai (Tokyo Coding Club) と弊社による共同研究で、2020年のスポーツ科学研究・技術支援に関する国際会議(ICSports)で発表されました。
本研究の背景
テニスは競技とレジャーの両方で人気のあるスポーツであり、その中でもサーブは勝利に影響を与える重要なショットの一つです。
本研究では、プロとアマチュアのテニスプレーヤーのサーブをコンピュータビジョンを用いて分析し、アマチュアプレーヤーに向けて改善のための具体的なデータを提供することを目的としています。
研究結果の概要
この研究は、アマチュアおよびプロのテニスプレーヤーの動画を分析し、サーブに焦点を当てました。YouTubeから得たデータを用いて動画をフレーム画像に変換し、ポーズ推定と追跡フレームワークを通じてアスリートのポーズを数値形式で取得しました。
収集した動画をフレームに分割し、ポーズ推定システムを用いてプレーヤーの動きを動作解析しました。
プロとアマの間で肩と肘などの体のキーポイントにおいて有意な違いが見つかり、P値のテーブルにおいてもその差異が明確化されました。
t検定を通じて、プロとアマの間で全体的なユークリッド距離や特定の肢において有意な違いが見られました。
体のさまざまな部分の距離の分布についてt検定を行いました。その結果一貫性だけでなく、アマチュアとプロで身体の動きが最も異なる部分が左腰と両手首であることも示唆されました。
本研究では、1本の2次元動画から有意義な洞察を得ることができることが証明されました。
今回の結果がコンピュータービジョンと AI がアマチュアアスリートとプロスポーツ選手のどちらにも役立つことを願っています。
将来の研究では、肢の位置や体のダイナミクスの違いを見ながら、プロとアマチュアの間のさらなる違いを特定することを目指しています。特にサーブの抽出やラベル付けなど、パイプラインのより多くの部分を自動化し、距離の分布だけでなくサーブのダイナミクスについてさらに分析することを検討しています。
論文に関する情報
https://www.scitepress.org/Papers/2020/101458/101458.pdf
【論文タイトル】Stroke Comparison between Professional Tennis Players andAmateur Players using Advanced Computer Vision
【著者】Lisa Baily, Nghia Truong, Jonathan Lai and Phong Nguyen
【発表】icSPORTS 2020 - 8th International Conference on Sport Sciences Research and Technology Support